2019/02/20 15:00





トンド…?
聞きなれない言葉が夫の口から出てきた。

トンドの正体を訊いてみると、旧正月に正月飾りなどを焼く行事だという。それは私が住んでいるまちではどんと焼きと呼ばれているもののようだ。

地域によってどんど焼きとか、とんど焼きとか、左義長とか呼ばれ方が変わるらしい、ということが調べて分かった。

小正月に行われることが多いようだが、竹原では旧正月に神明さんを立て、その一週間後に神明さんを子どもたちが引っ張った後に焼くんだそうだ。

神社でお札とか正月飾りとかが山盛りになっているところに火をつけて焼いている、というイメージしかない私にとっては、とても新鮮な祭だ。今回の竹原滞在中にちょうど神明祭が行われるようで、少しだけその雰囲気に触れることができた。

息子がぐっすりと昼寝をしていたので、終わりのあたりに公園に顔を出したのだが、子どもから大人まで集まり、火を囲み話す人たちや砂場で遊ぶ子供、おしるこを振る舞う人、神明さんの火でお餅を焼いて食べる人たちがそこにいた。

神社ではなく自治会単位で、しかも地域の公園でやっていることがなにより驚いた。当たり前のように毎年毎年、地域の人たちが協力して神明祭を執り行うという、神事が神社を抜け出して地域に溶け込んでいる感、大切にされている感が純粋にすごいなあと思った。語彙のなさがもどかしい。

この地域に住む人たちにとっては当たり前の行事なのかもしれないけれど、当たり前なんてことはないよなあ、やっぱりこの世界のどこを切り取っても当たり前はないよなあ…なんて、息子が寝静まった後、パソコンをカタカタしながら思いめぐらせる満月の夜である。



文 : min